「ファーム伊達家といえばズッキーニ」と言われるほど毎年好評をいただいているズッキーニの栽培がスタートしています。
農業研修生だったころ、種を買ってきて自家採種をはじめて、今年(2021年)で19年目の栽培です。
今年まいた種は昨年自家採種したものです。
自家採種の様子はこちらの動画でどうぞ。

ひと冬保存したズッキーニの種をまいたのは5月10日。
10.5㎝の育苗ポットに2粒ずつまきました。
(農業用語では種をまくことを「播種・はしゅ」、苗を育てることを「育苗・いくびょう」といいます。)

数日で芽が出てきて、双葉が開きました。

このあと1本はハサミで切って間引きました。
種まきから18日目の5月27日にビニールハウスから畑にお引っ越し。
(農業用語では苗を畑に植えることを「定植・ていしょく」といいます。)


本葉が1枚開いて、2枚目が少し顔を出したころが植え時です。
根を傷めないように丁寧に植えます。

実はこの「本葉1枚が植え時」というのは理由があり、試行錯誤の上たどり着いたやり方です。
ファーム伊達家の自然栽培(無肥料栽培)では、苗を育てる土は、畑の土をそのまま使っています。
ズッキーニなら、ズッキーニの畑の土を使います。
これは自然栽培の「連作豊収」という格言を元にしています。
豊滝にいた時は、ズッキーニは10年くらい同じ畑で作ってきました。これを「連作」といいます。
藤野に来てからは4年目。
同じ畑でズッキーニを育て、
種を採り、
その種をまいて育てた苗を、
また同じ畑に戻すように植える。
これがファーム伊達家のズッキーニの栽培です。
同じ畑で連作して自家採種していくことで、ズッキーニがその畑になじみ、畑がズッキーニに適したものになっていく、と考えています。
同じ畑に植えるのならば、種まき、育苗の段階から同じ畑の土を使うのがいいのではないか?
というシンプルな発想です。
畑にも、育苗に使う土にも肥料は一切入れません。無肥料栽培ですから。
このため、一般的な育苗方法に比べると育苗ポットの中の養分が少ないので、
根はポットにとどまらず、下の穴から出てその下の土に伸びていきます。
下の土に根が張ってしまうと、畑に植えるときにそれをはがして植えることになります。
ウリ科の作物は根の再生力が弱いそうで、根をはがすと傷んでしまって、
その後の生育に影響が出ます。
それを避けるためには、育苗ポットの下の穴から根が出る時までに植える必要があります。
この下の穴から根が出るタイミングが本葉1枚のころなのです。
そして、もう一つここで気を付けることがあります。
ここ藤野では5月20日くらいまでは霜がおりる可能性があります。
霜に当たると、ズッキーニの苗はダメージを受けて、強い霜ならば枯れてしまいます。
それを避けるためには、少し安全を見て5月25日以降に畑に植える必要があります。
つまり、5月25日頃、本葉1枚にるような時期に種をまくことが必要です。
結果、従来よりも10~15日ほど遅く種まきをすることになりました。
遅くまくと、収穫も遅くなり、収穫量も減るのでは?と思ったのですが、
これは豊滝時代に数年の比較実験により、むしろ今の植え方のほうが生育が良く、収穫量も増えることが分かりました。
こうして種まきから育苗、定植に関してはファーム伊達家のやり方が確立していますが、
今年はさらに畑に植える間隔を何通りか試していきます。
自然栽培(無肥料栽培)では、作物の根が伸び伸びと、土に深く広く張っていくことが大切です。
そのために適切な間隔を求めて、探求は続きます。
そして、このあとも肥料や農薬を使うことはなく、私たちができるのは、こまめ&超早めの草取りと愛情をもって見守ることです。
「夏の我が家の食卓には、ファーム伊達家のズッキーニが欠かせません」
「ジューシーで、とろけるような食感で、一人で一本まるごと食べちゃいました。」
「美味しくて子供たちがビックリして、奪いあうようにして食べて、すぐなくなりました。」
など、毎年、多くの方から熱い感想を寄せていただいてる「ファーム伊達家のズッキーニ」
ファーム伊達家自然栽培旬の野菜セットに入るのはもちろん、
BASEオンラインショップ
コープさっぽろ藤野店さんのご近所野菜
本州の自然栽培食材店
などで販売する予定です。
7月中旬から10月の収穫を楽しみにお待ちください。
