【土・種・人 ともにあゆむ1年】(ファーム伊達家の自然栽培体験イベント)
第8回 「大豆脱穀・穴掘り調査」 2018年10月28日
収穫から3週間、いよいよ大豆の脱穀(だっこく)です。
刈り取って乾燥させていた大豆を一本ずつ大切に脱穀していきます。
脱穀とは、さやの中にある豆を取り出していくこと。
ファーム伊達家では、年代物の足踏み脱穀機を使います。
この脱穀機は2010年にファーム伊達家にやってきました。
新聞の「譲ってください」のコーナーに「足踏み脱穀機を譲ってください。」と掲載したところ、すぐに南区の元農家の方から「蔵に放ってあって、ちゃんとつかえるかどうかわからないけど、見に来るかい?」と連絡をいただきました。
まさかこんな近くですぐに見つかるとは驚いて、すぐに引き取りにいきました。
以来、毎年この時期に大豆などの脱穀に使っています。
足元のペダルを踏んで、こぎ胴を回転させて大豆を枝ごとあてることで、さやがはじけて豆が飛び出していきます。
ペダルの踏み方が弱いと回転数が落ちて、うまくさやがはじけません。
ペダルを踏む足は一定のリズムを刻みながら、助手さんから大豆の枝を受け取り、こぎ胴に大豆を充てていくのは、慣れてしまえば難しいことはないのですが、やはり初めてだと、手元に集中すると足のリズムが乱れ、足元に集中すると、手元がおろそかになります。
それでも、皆さんコツをつかんで脱穀作業を楽しんでくれました。
脱穀機ではじけなかったさやは手の空いている人で、手でさやから豆を取り出す作業、和気あいあいとおしゃべりしながら、作業は進みました。
脱穀のあとは選別作業。
ここでも昔ながらの道具「唐箕」(とうみ)を使います。
これは10年ほど前に、知り合いの農家さんが離農するときに譲ってくださったもので、道北のとある町からはるばるファーム伊達家までやってきました。
「足踏み脱穀機」も「唐箕」も長きに渡ってそれぞれの農家さんで使われてきたものです。
ハンドルを回して風を起こすと、さややごみなどの軽いものは遠くに飛び、それより重たい豆は下に落ちていきます。見れば見るほどよくできた道具です。
皆さんにも少しずつですが、ハンドルを回してもらいました。
選別作業のあとは、「穴掘り調査」
第1回目の時は、全員で交代しながら1メートル四方、深さ1メートルの穴を掘りましたが、
今回は予め掘っておいて、観察を皆さんと一緒にしました。
掘った畑はひまわりを植えたところです。
残念ながらひまわりは9月の台風で倒れてしまいましたが、掘った断面を観察すると細い根が少なくとも50センチくらいまでは確認でき、後日、主根を掘り起こしてみたところ、少なくとも30㎝はありました。
このひまわりを植えた目的は、畑の残存肥料を減らすことです(正確に言うと、その実験です。)。
春にも土壌サンプルを採取して養分分析をしましたが、ひまわりを植えた後にどのように変化しているか比較するために、再びサンプルを取り、養分分析に出します。結果が楽しみです。
終了後はおやつタイム。
小葉松弘恵さんからは、かぼちゃのスープと前川金時のキッシュ(ハロウィン仕様)。
ファーム伊達家からは、虎豆の煮豆。
畑作業のあとのおやつ、今回もおいしくいただきました。
春から8回を重ねた、畑でのプログラムは今回で終了。
一粒のタネが芽を出し、成長し、たくさんの大豆を実らせてくれたことに、そして、その1年のあゆみに自分が関わったことに感激した様子でした。
「土・種・人 ともにあゆむ1年」残すは皆で育てた大豆を使った「豆腐づくり」。
第1回から一緒に作業に関わってくれた小葉松弘恵さんは、豆腐マイスター認定講座の講師を務める豆腐の伝道師とも言える方で、小葉松さんに教えてもらう豆腐づくり。これはもう間違いなく美味しいです。
今から次回が楽しみです。
(豆腐づくりは、畑でのプログラムに1回以上参加された方のみご参加いただけます。)
【イベントのお知らせ】 ※こちらはどなたでもご参加いただけます。
種採りワークショップ
「ファーム伊達家のたねあかし」
11月23日(金・祝)13:30~16:00
- 自然栽培ってなに?
- なぜファーム伊達家は種を採っているの?
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自然栽培歴14年の経験と、今年の新しい発見も交えたお話と種採り作業の体験。
ファーム伊達家でしか聞けない話も盛りだくさん。
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