春の恒例、畑の穴掘り調査をしました。
90cm四方、深さ1m掘って土の中を観察しました。
深さ5cmから95cmまで10cmおきに硬度計で測定していきます。
ウチの畑はガチガチに硬い層はないことは過去4年の観察でわかっています。
根が深く張るひまわりを3年、ポップコーンを1年植えましたが、硬度にそれほどの大きな変化はないので、今のところ、硬度はこれぐらいでいいのではないかと考えています。



昨年植えたポップコーンの根も観察しました。
表層20cmくらいはびっしりと、その先は本数は減りますが、軽く80cmくらいまでは根が入っています。
こうして人間の手や機械が届かないところまでポップコーンの根で土を耕して、自然栽培に必要な、深いところまで「水はけ、水もちが良く、柔らかい」畑にして、過去に投入されて残存している余剰養分を減らしていくことを意識しています。
2021年産のポップコーンは完売しました。関東方面にもお取引先ができて、ファーム伊達家のことを知っていただく方が増えたのもとても嬉しいことでした。
お子さんと一緒に作って、「美味しかったよ~」と動画やテキストで送っていただき、励みになりました。
保存性が高いので農閑期の冬の間に調整、出荷作業ができるのも、ファーム伊達家のスタイルにあっています。
こうして収益を確保しながら土を改善していくことができれば、もっとスムーズに自然栽培(無肥料栽培)に転換していく道ができるのではないかと考えています。
ポップコーンのさらなる収量アップも目指していきます。
趣味ならば収益度外視でいいのですが、「業」として「農」を営むのであれば、収益の向上は必須です。
昭和10年から30年ごろまでに普及した自然栽培(無肥料栽培)は、本来、農産物の生産量増大による農家の収益改善も大きな目的のひとつでした。
「環境や人の体に優しい」とか、「永続性」的なことは欠かせませんが、それに「農家の経営の持続性」が加わればもっと多くの人が取り組みやすくなるし、農業の使命である「社会に命の糧である食糧を供給する」ことを果たしていくためにも、収量の向上は欠かせません。
豊滝時代はその事への意識が低かったことを省みつつ、それでも多くの方の支えをいただいてここまで農家としてやってこれたことを感謝して、自然栽培(無肥料栽培)の未来を作っていきます。
あまり報道されていませんが、肥料が高騰したり、そもそも肥料(ほとんどは海外からの輸入に頼っています)が入って来にくい状況が続いているようです。
今こうして日本の社会に食糧が供給されているのは、間違いなく、広く普及している化学肥料のおかげです。その事に感謝しつつ、その資源は有限であることを踏まえて、化学肥料に頼らずとも栽培できる(農家が営農を持続できる)方法を多くの農家が取り組める形で普及できるようにしていきたいです。