【土・種・人 ともにあゆむ1年】(ファーム伊達家の自然栽培体験イベント)
第9回 「豆腐づくり・豆づくしランチ」
5月から8回に渡り畑で続けてきた自然栽培体験イベント「土・種・人 ともにあゆむ1年」の最終回は、皆で育てた大豆を使った豆腐づくりと、豆づくしランチです。
一緒に農作業を楽しんできた、豆腐マイスター協会認定講師の小葉松弘恵さんの手ほどきで豆腐づくりにチャレンジ。
ファーム伊達家が伝えたいことの一つに
「食べる」という農作業を一緒に楽しみましょう!
ということがあります。
私達は農家なので、野菜の種をまき、苗を植え、収穫して、お届するという農作業を日々積み重ねていきますが、これは野菜を受け取った方が食べて下さるから成り立つことす。
一方、いわゆる消費者の方が農産物を食べられるのは、多くの農家の農作業の結果です。
こうしてみると、農家の農作業と消費者の「食べる」という行為は繋がっており、畑と食卓がつながっていることを感じてもらえるよう「食べるという農作業」と表現しています。
この「土・種・人 ともにあゆむ1年」は、シーズンを通じてみんなで農作業をして、みんなで育てた大豆を、みんなで豆腐を作って食べるところまでの農作業を体験して、すべての農産物はこうした一連の農作業があって、私たちの口に入ることを実感していただけるよう企画したイベントです。
この豆腐づくりは、1シーズンの農作業の総仕上げ、ということです。
今回は「生しぼり法」という方法で豆腐を作りました。
前日から浸水しておいた大豆をお湯と一緒にミキサーにかけてから搾り、搾った豆乳を加熱して、にがりを投入するという手順です。
小葉松さんからコツを教えてもらいながら、手の空いた人はランチの準備をしながら、楽しく豆腐づくりは進みました。
新豆ということもありあって、ちょっと固まり具合がゆるかったのですが、大豆の味がしっかりして、とてもおいしい豆腐になりました。
豆腐づくりのあとは、豆づくしランチ。
ファーム伊達家の畑で採れたお豆たちを、豆料理研究家でもある小葉松さんプロデュースのメニューで、それぞれの豆の個性を楽しみながら美味しくいただきました。
使用した豆は、大豆、黒豆、マンズナル、前川金時、虎豆、しまインゲン。
メニューは
手作り豆腐
虎豆ごはん
前川金時ちらし
前川金時と油揚げのくるみあえ
ゆで大豆
スリービーンズサラダ(大豆、虎豆、マンズナル)
マンズナルとヤーコンのサラダ
大豆ときくらげのナムル風
おからの衣揚げ
前川金時の豆パンとひまわりバター
メークインとわかめの味噌汁
黒豆茶
これだけの豆料理を同時に食べることは家庭ではなかなかないと思います。
おいしい豆腐と豆料理でお腹いっぱいになったあとは、このイベントに写真係として参加してくれた友人の写真家・中島宏章さんの写真のスライドショーを見て、春からの農作業を振り返り、参加した皆さんの感想をお聞きしました。
皆さんそれぞれの感性で、種まきから収穫まで自らの手で関わって食べる喜びとこれからも変わっていくファーム伊達家の自然栽培の畑の姿を楽しみにしながら、「また、来年も畑に行きたい」とおっしゃってくださいました。
自然栽培の大先輩からお聞きした自然栽培は「土づくり、種づくり、人づくり」という言葉があります。自然栽培に取り組むにあたって、この三つの要素が揃っていく必要があるということです。
藤野に移転して1年目、新たに「土づくり、種づくり、人づくり」に取り組んでいくファーム伊達家のイベントのタイトルにこの言葉をお借りして名前をつけました。
「土・種・人 ともにあゆむ1年」
参加した皆さんの心に、土、種とともにあゆんだ1年が、新しい種をまき、やがて花を咲かせ、実となるように願っています。それは、20代後半の農業体験をきっかけに農家になり、今があるわたしたちの、当時お世話になった農家さんへの「恩」を、また別の人へ送る「恩送り」でもあります。
ぜひ、あなたも、来年は土、種、そして私たちファーム伊達家とともにあゆんでみませんか?
今年、全部で14回、のべ170人の方がファーム伊達家のイベントに参加してくださいました。
来年も、より多くの方に自然栽培の畑を感じていいただけるようなイベントを企画していきます。
自然栽培×都市農業のファーム伊達家、住宅地の中の小さな畑ですが、ぜひ、お越しください。そして、おいしく、楽しいお付き合いができたら嬉しいです。